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2021/06/11

武器としてのコンプライアンス

こんにちは。
リベラルコンサルティング協議会の矢萩です。

今回は、コンサルタントが持つべき
「コンプライアンス感覚」
について書いてみたいと思います。

元々コンプライアンスという概念は、
「利害関係者の要請への対応」
という意味なのですが・

日本では「法令遵守」という意味で使われることが多いので、
ややかたよっている印象です。

多くの「まともな」企業において、
社会的信用は何よりも大事なことです。

法令や規則ベースで考えることは、
いわば「防具としてのコンプライアンス」ですが、
時に本末転倒になります。

法令に違反すれば当然大きなダメージになるので、
そこは死守しようという発想なのですが、裏を返せば、

「法的にセーフ」
「グレーだけど問題ない」

などという感覚になってしまう恐れがあります。

業績が芳しくない場合は尚更気をつける必要があります。

たとえば商品やサービスの市場価値を高めるには、
ブランディングが必須ですが、
それはまさに「どんな企業が」やっているのかが肝になります。

当然、企業イメージと所属する社員やスタッフの「顔」とは、
密接な関係があります。

僕は企業のブランディングに関わることも多いのですが、
ブランディングは広告戦略やPR戦略とは本質的に違います。

どのような理念をどんな人がどういう手順で商品化しているのか、
つまり「プロセス」や「ストーリー」が重要なのです。

もちろんそれは見せかけであってはダメです。

対企業であれば「偽りある看板」はすぐにバレますが、
個人対象のコンサルやキャリアコンサルタントの場合、
バレにくいという特性があるのも問題です。

先日、セミナー参加者の方から、
「(色々参加しているが)科学的裏付けがあるのはこの講座だけ」
という感想を頂戴しました。

アカデミックなセミナーではあり得ないことですが、
事実、前提や根拠、典拠や引用元を明示せずにセミナーを行っている人は、
自己啓発系に限らず、人材関係・コンサル関係には取り立てて多い傾向があります。

すべて自分の「経験談」として語ってしまう人も少なくありません。

コーチングやカウンセリングなどもそうですが、

「◯◯理論」と名前がついていたり、
「脳科学」という言葉を使うだけで、

「ちゃんとしたものなんだ」
という印象を与えてしまうことを悪用しています。

無自覚な場合も多いのですがそれはそれで大問題です。

コンサルティングの際にも同じことが言えます。

「理論」と「経験」は両輪ですが、
ごっちゃにして語るのはあまり良くありません。

切り分けることで、クライアントが納得しやすく、
また分析・改善しやすくなります。

なにより本質的で真摯な方法ですから、
「武器としてのコンプライアンス」
になります。

これが僕の考えるブランディングです。

今回紹介したのは一例ですが、これからの時代、
形は変われどますます信頼や繋がりが重視されていくでしょう。

是非、自分自身のコンプライアンスを見直して改善してみることをお薦めします。

そのまま、クライアントへのコンサルティングの種になるはずです。