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2020/10/21

変化の常態化を前提とした計画へ

こんにちは。
リベラルコンサルティング協議会の矢萩です。

今コンサルタントにとって必要なのは前提の更新です。
これについて改めて話してみたいと思います。

まず、コロナによって変化の常態化が起きました。

リーマンショック・東日本大震災を経て、
社会の予測不可能性については各分野で語られるようになりましたが、
今回のコロナとは状態が全く違いました。

どちらも事件も大きな影響があったものの、
境界線が比較的はっきりしていたんです。

分かりやすい部分としては、

当事者が限定されていたということと、

当事者以外にとってはすぐに過去になったことが挙げられます。

事件が起こって、その後どうしようか、という話だったわけです。

しかし、今回のコロナでは感染者でなくとも誰もが当事者であり、
その状態がずっと継続している。

いつまで続くか分からない上に、構造的に終わりが設定出来ないわけです。

ワクチンができたところで、次の新型が登場するリスクを無視できない。

そこで、切り替えができないまま柔軟に対応し続ける必要が生じました。

これは、多くの人にとってストレスです。

地震に喩えるならばかなり大きい余震が数ヶ月間毎日ずっと続いている状態であり、
この先も続いていく。

我々の精神がそのように揺さぶられ続けている状態ともいえます。

そんな状態が常態化したというのが最大の前提更新といえます。

変化が常態化したということは、多くの企業や組織、あるいは個人にとっても、
中期計画の存在がネックになるということを意味します。

大きな長期目標を持つことは変わらず意味がありますし、
当然日々の計画もあった方が効率的です。

しかし、状況次第で臨機応変に対応するためには、
中期計画の存在意義を問い直す必要があります。

今までのような中期計画ではなく、
例えば「オンラインのみでも継続可能なシステムを作り、
売上の50%をオンラインのみで確保する」

というような前提を加味したものに変更する。

その際、抽象度を上げたり、分岐の可能性をしっかり予測した上で、
柔軟に解釈や対応を変えられるようにするなど、
今までと違う「計画リテラシー」が必要になります。

同じ抽象度で計画を捉えて実行するためには、
マニュアルの変更だけでなく、
人材のアップデートが不可欠です。

これは、キャリアコンサルタントにとっても同じです。

クライアント本人が自分自身の価値観を認知し、
社会のニーズと自分のできることとを抽象的に統合する力が、
今まで以上に重要になってきます。

そのためには私たちコンサルタント自身が、
先にアップデートしていなければなりません。

その水位差こそが、私たちの価値でもあるわけです。

クライアントと一緒にアップデートしていこう、
と言う感覚はとても大事ですが、
それでもコンサルタントが先んじていなければプロとはいえません。

まだまだ先が見えないですが、
リベラルコンサルティング協議会では理事と会員の皆様の情報と経験をシェアしながら、
本質的なコンサルを実現し続ける集団として前進していければと思います。